取材

日本武道館でストリートスライダーズに再会する

2023年5月3日、日本武道館「The Street Sliders Hello!!」ライブに参戦してきました。
ファンになって三十数年、2000年に解散してから、よもやこんな日がこようとは!
生きててよかった!
ストリートスライダーズ 武道館

そらまめ
奥に見えるのが、かの有名な「金の玉ねぎ」だね。
うん、若い人わかんないだろうね。爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で 〜はるかなる想い」という楽曲に出てくるフレーズで日本武道館の屋根の擬宝珠を指してるんだよ。1966年にビートルズがコンサートを行ったことから日本武道館は音楽の聖地でここでコンサートを行えるということは一流のミュージシャンになったという一つのステータスだったんだよ。
チエ(仮)

ストリートスライダーズ 武道館

おお~~~武道館の看板の下、堂々と掲げられたThe Street Slidersの文字を見るだけで胸熱です。思えば人生初ライブもスライダーズのはずだったのですがドラムのZUZUさんがバイク事故で骨折してツアーが中止になったのでした。その後私の人生初ライブはブルーハーツとなりました。こちらも最高に楽しかったです!
私が一番印象に残っているスライダーズのライブは地元ライブハウスでのものです。スライダーズ後期でキャパ300人ほどだったと思うのですが、ライブハウスは初めてで内装が真っ黒な箱におっかなびっくり、なんだか悪い世界に足を踏み入れたような、大人になったような不思議な緊張感でした。ライブが始まり音が体にぶつかってくるようで腕の産毛が震え、革のバッグが細かくジーンと振動していました。ZUZUさんの鋭いドラムが心臓にアタックするようでした。

この時の感動が忘れられません。「ああ、こんなにも楽しいことが世の中にはあるんだ」思ったのです。スライダーズのフロントマン、ハリーの書く混沌と愁いを帯びた歌詞の奥底にしっかりと流れる、夢と希望に私は共感してきました。
チエ(仮)

Boys Jump The Midnight  …かじかんだ指先を チャンスで あたためて…
道化者のゆううつ …夢の続きは Baby おまえが つくりなよ…
one day …この街で おちぶれて 眠る 俺たちに ふれないでおくれ 行きつくところは 誰にもわかりやしないのさ…

そらまめ
本当に行きつくところは誰にも分らなかったね
うん、2000年の解散コンサート「LAST LIVE」で痛々しいほど傷ついたハリーを見てから、スライダーズを熱心に聴くことはなくなりました。でもそんな中にも年月をかけて気持ちを整え回復し、スライダーズ復活という希望をハリーは持ち続けていたんだということが、何よりも感動的でした。
チエ(仮)

ストリートスライダーズ 武道館

この写真は観客が入り始めですが3階席の上まで14000人満員の日本武道館でした。

そらまめ
お客さんも年を取っていたね
それは仕方ない。私も年を取ったんだから、スライダーズも年を取ったし。
チエ(仮)
万感の思いを込めた万雷の拍手の中で彼らは登場しました。ファンの愛に包まれ、全17曲をまるで解散などなかったような演奏で私たちを沸かせてくれました。当時のロックシーンにコアなファンも多かったのですがどちらかと言えばマイナー位置にスライダースはいました。この満員の観客を見て「ああ、私と同じようにファンはこんなにもスライダーズを愛し続けていたんだ」と感慨深かったです。

チャンドラー
BABY BLUE
Angel Duster
Let's go down the street
one day
すれちがい
Pace Maker
ありったけのコイン
曇った空に光放ち
ミッドナイト・アワー
天国列車
Hello Old Friends
So Heavy
Back To Back
風の街に生まれ
〜アンコール〜
のら犬にさえなれない
TOKYO JUNK

そらまめ
いや~愛だね愛。良かったね
うん、良かった!!ハリーの歌声をファンの歌声が包み武道館が一体になっていたね
チエ(仮)

ストリートスライダーズ 武道館

そして最後にステージを囲む垂れ幕が四方に降りスライダーズのツアーの告知が。実は今回の武道館コンサートは「再集結」と銘打たれていて「再結成」とは言われてなかったわけです。この告知で再結成となりました。

ツアーだよ、ツアー!
チエ(仮)
そらまめ
今回武道館に行けなかったファンもスライダーズに再会できるね。

ストリートスライダーズ 武道館

終っちゃった、ファンとしてはホッとしたよ。ハリーの喉の調子とかWOWOWも入ってるし。そしてちょっと寂しくもある
チエ(仮)
そらまめ
また遠い存在になっちゃったね
うん、もうサインとかもらえないね。しかし推しは大きなハコにいてほしい!スライダーズは大きなハコが似合うんだ
チエ(仮)
そらまめ
スライダーズ再結成というハリーの夢も叶ったね。チエの夢もきっと叶うよ
ありがとう!叶うまでやるのさ、yeah!
チエ(仮)
そらまめ
取材というからにはスライダーズも作品に出てくるの?
うん、主人公のあこがれの音楽隊として登場するよ。時に彼らの歌が主人公を励まし、彼らのバンド遍歴が主人公の運命とリンクしていく、スライダーズの再結成で私の物語も変わっていくんだよ
チエ(仮)

前回ここに来たのは解散ライブなんです(号泣)。武道館で解散し武道館で再結成する、なんとスライダーズらしいことか!ライブ中にハリーが言った「デビュー40周年を迎えられ、全ての関係者に感謝したい。今日は来てくれてありがとう。サンキュー!」という言葉に、裏には当時のスタッフの強力な後押しがあったことと推測します。関係者の皆さん本当にありがとう、スライダーズの再結成をこんな大きな晴れ舞台で観ることができた!そしてバンドを維持していくにはこれからがきっと大変。それぞれがソロ活動やほかのバンドを組んでいたりほかのアーティストとのサポートとして入っていたりとスライダーズの活動とバランスを取っていくのは当時よりずっと難しいと思います。ZUZUさんが昔インタビューで「俺たちの帰る場所はスライダーズなんじゃないのか?」と答えていたようにファンの帰る場所もスライダーズなのです、少なくとも私は。ファンは応援するしかできない、1ファンとしてこれからも応援していきます。

The Street Slidersに興味を持っていただけ方にこの曲をお勧めします。
史上最も美しいミュージックビデオです。
YouTubeにThe Street Sliders公式ができてうれしい。

The Street Sliders「ありったけのコイン」

そらまめ
スライダーズのおすすめってどんな感じ?
う~ん、おすすめを決めるのは難しい。しかし、おすすめします
チエ(仮)

やっぱり、ライブ!


一押しはライブでしょう!音源を聴くのと生ライブに参加するのは雲泥の差、すべての音源はライブのためと言っても過言ではない。同じハコの中でメンバーが吐いた空気の分子を一粒でも吸い込むことに意味がある(変態!)爆音の中で踊ろう!スライダーズのシェイクに飛び乗れ

SCREW DRIVER


生涯で最も聴いたアルバムです。1989年発売ですが今聴いても全く色褪せることがありません。「ありったけのコイン」「かえりみちのBlue」など名曲ぞろい、私は「Baby, Don’t Worry」が好きです。当時売れ線に寄ったなどと言われましたが、売れたほうがいいじゃない!たくさんのものを背負っているのだから。

On The Street Again -Tribute & Origin-


2023年5月3日再集結ライブの直前に発売された一枚です。スライダーズオリジナル16曲とエレファントカシマシ、斉藤和義等異なる世代の豪華アーティストのトリビュート12曲が収録されています。トリビュート版を選ぶのは邪道かもしれませんがビートルズの曲がたくさんのアーティストにアレンジされながら歌い継がれているように、スライダーズの曲もこの世に長く生き残ってほしいと思います。私は特にSUPER BEAVERの「道化者のゆううつ」が良かったです。こんな解釈があるのかと新鮮でした。オリジナル版もいい選曲でこれを聴いてライブに参戦しても十分楽しめると思います。

The SingleS


「まだまだ物足りない、もっとライブを満喫するためにたくさん聴いておきたいんじゃ!」という方に。ファンも胸熱、シングル収録曲で構成される全54曲収録の4枚組豪華版です。オールドファンが聴くとスライダーズの歴史を感じます。しかしまだまだ歴史は続くのです。


そらまめ
推しのある人生はいいね
うん、自分の人生では絶対に見ることができない世界を一緒に感じることができるね。私の人生2大推しマッツ・ミケルセンみたいに負け知らずの人生も誇らしいし、ストリートスライダーズみたいに紆余曲折ある人生も人間らしくていい。完璧な人間なんていないんだから。私は自分の努力で一生懸命生きている人が好き。私の物語も努力することを伝えていくよ
チエ(仮)

-取材