この本を紹介したかった!
「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」 著 ブレイク・スナイダー
通信講座Coloso.のストーリーボードアーティスト 栗田唯先生の「基礎から学ぶ心を動かすストーリーボード制作」講座や漫画家 山田金鉄先生の「視線誘導に特化した読みやすい漫画の作り方」講座で紹介された本です。それぞれの講座についても後ほどお話ししたいと思います。
おお、なんと!脚本も本から勉強することができるのか!と感動しました。
Coloso.
「業界トップクラスの専門家のノウハウをオンラインで学ぶ」 ことを目標に作られた
VOD型(ビデオ・オン・デマンド)オンライン 教育サービス
ストーリーボードアーティスト 栗田唯
「基礎から学ぶ心を動かすストーリーボード制作」
漫画家 山田金鉄
「視線誘導に特化した読みやすい漫画の作り方」
ストーリーボードアーティスト 栗田唯先生の講座では脚本術の紹介の中でブレイク・スナイダーは初級編として紹介されています。初級でも、めちゃくちゃ勉強になります。
彼は全ての映画が10種類のジャンルに分類されるといいます。この分類はコメディとかラブストーリー・伝記物とかいう分類ではありません。物語の本質をとらえた分類なんです。詳細は読んでみてね。
・家の中のモンスター
・金の羊毛
・魔法のランプ
・難題に直面した平凡な奴
・人生の節目
・バディとの友情
・なぜやったのか?
・バカの勝利
・組織の中で
・スーパーヒーロー
これに好きな映画や物語を当てはめてみます。いや、知っている限りの物語を当てはめてみましょう。
たくさん例題が出てくるのが自分の好きな分野でしょう。
私は金の羊毛・難題に直面した平凡な奴・バディとの友情・スーパーヒーローが好きな分野のようです。
トム・クルーズは出演する映画はほとんどがスーパーヒーローに分類され、なるほど、そうだね。ふむふむと思います。
私が好きなライアン・ゴズリングは多方面の分野に出演していて、恐らく意図的に役者としての幅を広げるため脚本を選んでいると分析します。演技へのアプローチも本当に真面目で素敵な役者さんです。
私が大好きな「ゴールデンカムイ」のように、いくつかの分野に分類される物語もあります。ゴールデンカムイはアシㇼパさんと杉本佐一の「バディとの友情」と捉えることもできるし、アイヌの金塊を追う「金の羊毛」ものと考えることもできます。このことが物語を重層的に感じさせる一つの要因ですね。
鬼滅の刃は「難題に直面した平凡な奴」ともいえるし、禰豆子を人間に戻すことが目的のため「金の羊毛」ともいえます。無限列車編に限って言えば「スーパーヒーロー」ものです。多面的な展開が多様な視聴者をとらえたのも人気の要因の一つだと思います。
さらに一つひとつの物語を分解していきます。
彼はひとつの物語をブレイク・スナイダー・ビート・シートを使って書き出しています。
ブレイク・スナイダー・ビート・シート
脚本のタイトル:
ジャンル:
日付:
1.オープニング・イメージ
2.テーマの提示
3.セットアップ
4.きっかけ
5.悩みの時
6.第一ターニング・ポイント
7.サブプロット
8.お楽しみ
9.ミッド・ポイント
10.迫りくる悪い奴ら
11.すべてを失って
12.心の暗闇
13.第二ターニング・ポイント
14.フィナーレ
15.ファイナル・イメージ
詳細は本を読んでみてね。
私は表を作って好きな映画を分解しています。
「ラ・ラ・ランド」はほぼぴったりビート・シートに沿っていました。
あと脚本を作る際の小さな注意点「氷山、遠すぎ!」「松葉杖と眼帯」「原始人でもわかるか?」などもとても参考になります。
映画を観ながらモヤモヤと思っていたことを、明確に示してくれた気がしてとても勉強になりました。
また、「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」のPart2にあたる「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」にはそれぞれのストーリー・タイプに5本づつの映画、計50本をビート・シートに沿って解説しています。すごいボリューム、例題の映画の選択がややコメディよりかなとも思いますが、こちらもお勧めです。
またあとがきによるとブレイク・スナイダー氏は2009年に亡くなられましたがSAVE THE CAT!の第3弾をこの世に残していらっしゃるそうです。刊行されるのが楽しみですね。